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No Promises Await at Journey's End

【PS5】『FINAL FANTASY XVI』クリアレビュー

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ネタバレあり




序。

そう言えばエンディングの考察記事は書いたものの、クリアレビューを書いてなかったな、とアーマードコア6のクリアレビュー記事を読み返していて思いましたので書くことにしました。

書いているのは2023年9月8日(金)です。発売が6月22日で数日でクリアしていたのでもっと早く書けたはずなのですが、単に忘れておりました。下書きというか素案は整理してあったので書きやすかったですが。

GOOD

こちらが多すぎて困るレベルなのであえていくつかに絞って書きます。

ストーリー

もはやFF16といえばストーリーとしか言いようがないほど完成されたストーリーを堪能することができます。

「召喚獣」という過去作では魔法の一種として巨大な力を持つモンスターのような見た目のものから神々しい姿のものまで様々な種類の召喚獣を戦闘中に呼び出して敵を攻撃する(もしくは共に戦う)、というスタンスでしたが本作では召喚獣に「変身」して戦うという形になります。

召喚獣に変身(作中では顕現と言います)することができる人のことをドミナントと呼び、FF16の世界では物語時点で世界に8人しかいません。しかも、同じ属性、例えば「火」の属性を持つ召喚獣は1体しか存在しないはずなのに、主人公のクライヴが生まれ育ったロザリア公国ではフェニックスに続いてイフリートまでが現れるという謎の事態が発生するあたりから物語が進んでいきます。

また、魔法を使うにはクリスタルと呼ばれる特別な「石」というか「ガラス」というかそういうものが必要になるのですが、生まれながらにしてクリスタルなしに魔法が使える人のことを「ベアラー」と称して奴隷として扱う世界観、クリスタルを採掘する元になる巨大な「マザークリスタル」を巡る各国間の戦争など、なかなかにして思い内容のストーリーが展開されます。

水滸伝の印象

三国志演義や西遊記、金瓶梅などと並ぶ「中国四大奇書」と呼ばれる「水滸伝」という物語がありますが、FF16の物語は水滸伝のような「国に対抗する人たちが隠れ家にこもって戦う」展開になっています。

興味があれば水滸伝も読んでみてください。私は北方謙三さんの水滸伝が好きで何度も読み返しています。

登場人物

いわゆるNPCも含めて仲間となる人物などたくさんの人たちが登場します。この人数の多さは三国志などのようなレベルで非常に多いのですが、それぞれに深い物語が付随していることが多く、サイドクエストをやることでその物語に触れることができます。

ストーリー全般を通して登場人物たちの年齢層は高めです。特に男性陣はおっさん率が高いのですが、物語を深く彩るためには不可欠な存在になっていると思います。ストーリーと合わせて魅力的な登場人物たちを楽しめると思います。

怒涛の展開

本作のストーリーは公式からも言われてる通り「ジェットコースター」に乗っているかのように休む間もなく物語が展開していきます。

一応、緩急はつくようになっていて途中で任意のサイドクエストをやることも自由ですし、気になるメインストーリーを進めていくのもOKです。

個人的に1回目はメインストーリーを中心の一気にクリアしたという感じです。2回目で丁寧に全てのサイドクエストを消化した感じです。

アクション

GOODの2点目です。

本作はストーリーが目玉とは思いますが、戦闘についても話題を呼んでます。従来のコマンド式バトルから完全なアクションRPGへと変化しています。スタイリッシュな戦闘を楽しむことができるようになっているのも本作の魅力のひとつです。

サポートアクセサリ

その中でも特にありがたい要素がサポートアクセサリです。最初からアイテムに追加されており、□ボタンを連打するだけで様々なアビリティを繰り出して攻撃してくれるものや、敵の攻撃を受ける直前でスローになるもの、敵の攻撃を自動で回避してくれるもの、ポーションなどの回復アイテムを自動で使ってくれるもの、など装備すれば自分の苦手なところをサポートしてくれる機能が用意されています。

これによりゲームそのものの難易度は変更できない(多少のモードの違いによる敵HPなどの差はあり)ものの、自分でアクセサリを好きな組み合わせで装備することで難易度を調整できるのです。

カッコいい立ち回り

アクションRPGということで、戦闘シーンはとてもスタイリッシュです。アクションが苦手でも先に書いたサポートアクセサリを使うことで見て目はとてもかっこいい戦闘が行われるのでプレイしていて楽しいです。

慣れてくれば自分で攻撃の技を出していくのも可能ですし、アビリティの組み合わせ次第で好みの技を使うようにもできたりするので戦闘がますます楽しくなって来ます。

やり込み要素

個人的にはほとんど手付かずですが、戦闘部分だけを抜き出したかのようなアーケードモードなども用意されており、特定のクエストをプレイして得点を競うことなどができるようにもなっています。

さらに1回クリアすると高難易度の「ファイナルファンタジーチャレンジ」というモードが解放されて、クリア時のレベルや装備などを引き継いで難易度の高い状態でストーリーを最初からプレイすることができます。

私は今現在、このファイナルファンタジーチャレンジをやっている途中です。

グラフィック

昔からFFといえばグラフィックという感じでしたのでもうすごいの一言しかありません。このクオリティでロード時間が全くないのも驚きで、PS5に特化させたのもこの辺が目的だったと思うので先日発表となったPC版でどの程度変わってくるのかは気になるところです。

また、フォトモードも搭載されており、戦闘中などにも一時停止して撮影が可能なので写真撮るのが好きな人には刺さる内容ではないかと思います。

BGM

本作のBGMは本当に神がかっています。単純に印象的な曲がたくさんあり、とある戦闘シーンで流れる「Find the Flame」は歴代最高と思っている「ビッグブリッヂのテーマ」を超えてきてると思いますが、本作のBGMはさらに一段上を行きます。

それは「場面展開に応じて曲が流れる」というもので、こちらが優勢になってる時は音楽も盛り上がるようなフレーズが流れる仕組みとなっているそうで、プレイしていると自然にテンションが上がってくる体験ができます。

BAD

気になる点です。

フレームレート

個人的に120fpsは欲しいと思いました。特にアクションRPGとして魅力的な戦闘があるので、ヌルヌル動く戦闘があると嬉しいです。今後のアップデートとかで改善されないか期待します。

召喚獣合戦

今回の目玉です。巨大な召喚獣に顕現したドミナント同士が戦うシーンです。

まず長い

まあ、巨大な力を持った召喚獣同士の戦いなのであっさりと決着がついてしまうのは逆におかしいのかもしれませんが、とにかく1回の戦闘(1回とカウントして良いのかわかりませんが)が長いです。

特にタイタン戦は倒しても倒しても次の戦闘がまた始まってフーゴのしつこさというか執念みたいなものを感じました。理解はできますが納得はいかないというやつです。

サイズ感

巨大な召喚獣同士の戦い、ということなんですがサイズ感があまり巨大に見えないことが多いです。

特にドラゴンボールで出てきた「精神と時の部屋」みたいな何もない空間で戦うような場面も何度かあり、そういったところで召喚獣同士の戦いとなっても人間サイズの獣が戦ってるのと違いはあまり感じられないです。

タイタン戦はそれなりに迫力がありましたが、タイタンが大きいのでイフリートとの差で大きく見えてるだけで、イフリート自体も相当大きいはずなのに人間サイズくらいにしか感じられないのでここはもう少し風景を組み込むとか巨大さを感じれるような演出が欲しいと感じました。

隠れ家内の移動

前半戦、後半戦それぞれで拠点となる隠れ家が出てくるのですが、この中の移動が地味に面倒です。

広い上に結構入り組んでるので階段登ったりあちこち歩いたりしないといけませんし、直線距離では近いのに行くには遠回りしないといけなかったりするところも多く、隠れ家内でファストトラベルができてもよかったと思います。

なお、2023年9月7日発売のアルティマニアには隠れ家で入り口付近に移動するならワールドマップから隠れ家に入り直すのがいい、と書いてあって思わず笑いました。

総評

神。

この一言に尽きると思います。2023年の新作の中では文句なく最高傑作のひとつになるでしょうし、歴代のFFシリーズの中でもトップと言える作品です。

今後、PC版も出るとのことなのでより多くの人にプレイしてもらえる環境が整いますし、有料DLCの開発も発表となったのでまだまだFF16の世界で楽しめると思うので末長く遊んでいきたいと思います。

PS5を持っているなら絶対にプレイした方が良いと思います。

批判なども多い作品ですが、声と態度が大きいだけで多数派とは言えません。どう考えても称賛の声の方が多い作品です。

文句を言うより楽しいところを見つけて楽しんだ方がいいと思います。時間とお金をかけてプレイするのですからね。