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No Promises Await at Journey's End

『PARTNER 4』読了

人間の頭に入りやすいのは抽象的な話より具体的な話です。小説というジャンルは抽象的な話ではなく具体的な話の代表格とも言える内容なので、文体などにもよりますが読みやすい文章に出会える確率は高い気がします。

PARTNER4 (C★NOVELSファンタジア)

PARTNER4 (C★NOVELSファンタジア)

  • 作者:柏枝真郷
  • 発売日: 2012/12/19
  • メディア: Kindle版

今回は3巻の7月4日の独立記念日前後の話からまた1ヶ月後あたりの話です。セシルやドロシーが活躍するニューヨークで突如大規模な停電が発生する話です。

これは「2003年北アメリカ大停電」という2003年8月14日に実際に起きた停電です。この時の停電でセシルやドロシーが暗闇の中で奮闘するエピソードが語られます。

また、話の中では過去に発生した「1977年ニューヨーク大停電」「1685年北アメリカ大停電」などの時の話も出てきます。2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件やその後の炭疽菌テロなども回想シーンで出てくることがあり、実際にアメリカで発生した出来事が物語の中で登場します。

今回の事件はたまたま停電が発生した時にセシルたちが遭遇した交通事故をきっかけに、怪我をした運転手がなぜか病院から逃げ出し、停電から復旧したらなんと近くのホテルのエレベーターの中で遺体で発見される、という話です。

偶然にセシルたちが交通事故の現場に遭遇したので捜査を始めます。ところが、停電の混乱の中で事件は3巻でセシルたちの担当事件を横取りしたベテラン刑事のコンビに割り振られます。

停電の混乱の中、徹夜で捜査した事件が途中からライバル意識のあるベテラン刑事に持っていかれるのが我慢できないセシルとドロシーは、逆に自分たちが彼らの担当事件を先に解決してやろうと自主的なサポートと称して捜査に乗り出します。

この停電の起きた日の週末から夏休みに入る予定のセシルとドロシーは、何としても予定通りの夏休みを取得するため事件を解決しようと奮闘するお話です。

さて、彼らは無事に夏休みが取れるのか、気になるところです(まあ読み終わったので結末はわかってますが)。

次は5巻です。