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藤崎竜版・漫画「銀河英雄伝説」第14巻の読了

少し間が空きました。ちゃんと全部読んでます。10巻のレビュー以降、全然書いていませんでしたが原作2巻の内容がいよいよ大詰めです。

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帝国は前巻までで帝国貴族とラインハルトの対決は完結しており、キルヒアイスがラインハルトを庇って命を落とすところまで描かれています。

第14巻はユリアンが表紙。内容は同盟側の救国軍事会議によるクーデターをヤンが制圧するためにイゼルローン要塞を出撃してからの話です。

惑星シャンプール市街戦

同盟の首都ハイネセンで発生したクーデターより少し前に起きた陽動とも言える地方の惑星での反乱・クーデター。4ヶ所の惑星で同時に発生した反乱を全てヤンが鎮圧することになりますが、ヤンはイゼルローンとの間で補給線を遮断される可能性のある惑星シャンプールのみを叩くことにします。

シャンプールを制圧するために地上戦のプロであるヤン率いる第13艦隊所属の薔薇の騎士(ローゼンリッター)が出撃します。原作ではシャンプール市街戦の詳細は語られず、勝利して帰ってきた隊長シェーンコップの活躍が語られるくらいですが、今回の漫画版では結構シャンプール市街戦が詳しく描かれています。

ほとんど「シェーンコップ回」と言えるほどシェーンコップが一人で活躍するので第14巻の一番の見所かもしれません。

銀河英雄伝説は多くの戦いが宇宙空間での艦隊戦になるので、こういった陸戦闘員の白兵戦シーンは貴重です。とにかくシェーンコップがカッコいい。

スタジアムの虐殺

ヤンが惑星シャンプールを鎮圧した頃に首都ハイネセンで発生した救国軍事会議による市民の虐殺事件です。

ヤンの親友とも言えるジャン・ロベール・ラップという人物は原作第1巻で描かれたアスターテ会戦でヤンとは別の艦隊に所属していてラインハルト率いる帝国軍の攻撃で戦死します。そのラップの婚約者であるジェシカ・エドワーズが婚約者の死後に議員となりクーデターに反対して市民集会を開いた時の悲劇です。

ラップとジェシカとヤンは士官学校時代の友達同士。ラップとヤンは共に美人のジェシカに想いを寄せていましたが、ジェシカはラップと付き合うことになり、ションボリなヤンでしたがラップの死後にもジェシカとの関係は特に進展せず。

ヤンは昇進してイゼルローンの司令官になり、ジェシカは議員となり同盟の腐敗した政治を正すべく立ち上がります。

ハイネセン記念スタジアムで開かれた市民集会を鎮圧に来た救国軍事会議の圧力により集まった市民との暴動が始まり、市民二万人が虐殺される大惨事になります。ジェシカもその混乱に巻き込まれて亡くなります。

この事件が救国軍事会議の市民からの信頼を失墜させる決定打となり、クーデターは終焉に向かいます。

ヤン暗殺

救国軍事会議が不利になりつつある自分たちの立場を打破すべく、一発逆転の策に乗り出します。言ってみれば同盟にはまともに戦えるのがヤン一人しかいないわけで、ヤンを暗殺してしまえば勝ちです。

そのために送り込まれた刺客が情報部員のバグダッシュ中佐。原作ではそれほど明確に暗殺という目的でやってきたわけではありませんが、今回の漫画版では明確な刺客として第13艦隊に潜入します。

副官フレデリカとユリアン、そしてシェーンコップによりその存在を見破られ、強力な睡眠薬でクーデターが鎮圧されるまで眠らされてしまうのは原作通りです。

第11艦隊+アルテミスの首飾り攻略戦

原作ではルグランジュ提督の第11艦隊との戦い後に首都ハイネセンを防衛する軍事衛星アルテミスの首飾りを破壊する流れですが、漫画版ではセットで戦います。というよりも先にアルテミスの首飾りを破壊します。

首都ハイネセンを囲む12個の超強力な軍事衛星ですが、ヤンは巨大な氷に推進装置を付けた12個の氷塊を同時にアルテミスの首飾りにぶつけて一瞬で破壊します。

アルテミスの首飾りは帝国側でキルヒアイスが地方反乱を制圧するときに指向性ゼッフル粒子を使って破壊したのが記憶に新しいところですが、ヤンはかつて同盟の始祖ともいうべきアーレ・ハイネセンが帝国を脱出した時に氷にエンジンを付けて宇宙船を作った故事に習い、この方法でアルテミスの首飾りを破壊します。

残った第11艦隊はヤンの敵ではありません。

クーデター鎮圧

すっかりクーデターが鎮圧された頃に目が覚めたバグダッシュ中佐がヤンの仲間になり、救国軍事会議の幹部たちのところに極秘の無線回線を繋ぎます。バグダッシュにやらせたのは極秘回線の提供ですが、原作では救国軍事会議が帝国のラインハルトたちの策略によるものだとメディアに暴露する役目を追いますが、漫画版ではヤンが直接救国軍事会議の首謀者であるフレデリカの父親グリーンヒル大将と話をします。

ここで興味深いのはラインハルトたちから与えられたクーデターのための策を持ち帰った帰還兵リンチ少将が直接その場で帝国に通信を繋ぎます。そこに出てきたのはなんとオーベルシュタイン。まさかの三者会談になり、オーベルシュタインはヤンの姿を垣間見ます。多くを語らずオーベルシュタインは通信を切りますが、それにより救国軍事会議は帝国の手の内で起こされたものであると知ったグリーンヒル大将はリンチ少将を射殺しますが、リンチ少将も同時にグリーンヒル大将を撃ち、相打ちになります。

これで同盟のクーデターは名実共に終幕を迎えます。

次巻予告

第15巻は2019年9月19日発売とのことです。原作通りでいけばイゼルローン要塞vsガイエスブルグ要塞の「要塞vs要塞」が来るはずです。

ユリアンが正式に軍に所属して初陣を果たしたり、ヤンがハイネセンに呼ばれて査問を受けたり、また新しい銀英伝の魅力が展開すると思います。