羽田空港の滑走路運用について解説する記事の第2弾です。前回の理論編は大変ご好評をいただいたかはわかりませんが、注目記事の上の方へ来たのでたぶん多くの方にご覧いただけたのだと思い嬉しい限りです。もっと見てください。
空港の滑走路運用を語り始めると本が1冊くらいは書けると思いますが、パッと見てわかる感じにまとめたいと思います。ざっくりそれぞれの展望デッキで目の前の滑走路に飛行機がどう見えるかを解説します。また、それぞれの展望デッキで遠くの方に見える滑走路などもあるのですが、複雑になるのでシンプルに目の前の滑走路だけについて解説しようと思います。
展望デッキと滑走路の見え方
まずはそれぞれの展望デッキから滑走路がどう見えるかを写真で解説。
ひとつだけ新知識
滑走路には「滑走路番号」という番号がついています。北を起点に方位で滑走路の向きを示し、10で割った数字です。平行する滑走路の場合は右側が「R(Right)」で左側が「L(Left)」です。これが反対方向からの場合は180度逆になります。つまり1本の滑走路には2つの滑走路番号があります。
この滑走路番号は世界共通の正式な滑走路の命名方式です。A滑走路やB滑走路と言った呼び方は空港ごとにわかりやすくつけた名前ですので、管制には使用されません。
例:羽田空港A滑走路の場合
A滑走路の場合は「16R/34L」となります。これは南側から滑走路に進入する場合は340度なので34になり、平行滑走路の左側になるので34Lです。読み方は「すりーふぉーれふと」です。
逆向きは16Rです。340度から180度を引けば160度ですね。今度は右側になるので16Rです。読み方は「わんしっくすらいと」です。いずれも「しっくすてぃーん」「さーてぃふぉー」とかではなく数字をひとつずつ読み上げる形です。
第1ターミナル
第1ターミナルの目の前にはA滑走路が見えます。その向こう側には国際線ターミナルが見えます。この向きで左側からが34Lで、右側からが16Rになります。
第2ターミナル
第2ターミナルの目の前にはC滑走路が見えます。その先は海です。その海の先にはディズニーランドとかが見えたりします。左向きからが16Lで右側からが34Rです。第1ターミナルとは背中合わせになっている向きですから右と左が逆になっていますね。
国際線ターミナル
国際線ターミナルの前は第1ターミナルからの景色と同じくA滑走路が見えます。向い合っていますから右側からが34Lで、左側からが16Rということになります。
ここまで読むと
さて、ここまで読むとわかると思いますが、「B滑走路とD滑走路はどこからみるんじゃい」となりますね。はい。見えません。遠くの方に見えますが、目の前で見える場所はないのです。先に予告しておくと次回くらいにはよりマニアックな観測ポイントの話をする予定なので、その時にはB滑走路とD滑走路に接近します。
南風運用
まずは南風運用から。
第1ターミナル
右から左へと離陸します。この時には着陸はありません。
第2ターミナル
左から右へ離陸します。この時は同じく着陸はありません。
国際線ターミナル
第1ターミナルからの離陸と同じです。向かい合わせなので右左が逆になっています。
北風運用
そして圧倒的にこちらの方が多い北風運用。
第1ターミナル
左から右へ着陸します。着陸専用なので離陸なし。これ重要です。
第2ターミナル
右から左へと離着陸があります。実際に見ていればわかりますが、写真だとわからないのでエンジンをみてください。丸がついているのが着陸です。
エンジンがぱかっと開いてます。これは逆噴射の動きなんで着陸時はこうなります。写真で区別する方法ですね。
国際線ターミナル
これも第1ターミナルと同じですね。
まとめと次回
これで羽田へ行った時にどこにどんな飛行機が来るのかわかりますね!
次回は「応用編」です。B滑走路とD滑走路が見えないという問題を解決します。