Rakontanto de ludo

Peace cannot be kept by force. It can only be achieved by understanding.

小説『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(下)』読了

序。

劇場版「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」が大ヒット上映中ですが、その劇場版のノベライズの続き下巻が2024年3月26日(火)に発売となりました。

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上巻の発売からは約2ヶ月ほどが経過しており、劇場へ再び見に行くこともあればストーリーの考察をしてみたり、人気投票があったり、新発売のキットを買ったり、とSEED FREEDOM三昧な日々であったと思います。

感。

内容に関してはもう言及するまでもなく何度も見てきた内容ですのであまり触れませんが、下巻の方の特徴としては、

  • 挿絵の多さ
  • より深掘りされた描写
  • 劇場版にはないシーン

が楽しめます。この3点について感想を述べていきたいと思います。

挿絵の多さ

正確に枚数など数えたわけではありませんが、上巻に比べて明らかに挿絵は多くなっていると思います。

これは著者のX(旧Twitter)のポストでも言及されており、より物語をイメージしやすくなっています。読者の多くは劇場版を視聴していると思うので挿絵がなくてもイメージは容易だと思いますが、劇場版にはないシーンについての挿絵も少しあったりするので楽しめる要素は多いと思います。

より深掘りされた描写

小説だからこそ可能とも言えるエピソードの深掘りです。いくつものシーンで劇場版にあった場面の描かれ方がかなり深掘りされています。

特に印象に残ったのは、ファウンデーションのアウラ女帝の年齢が50歳にも関わらずなぜ幼い姿になっているのか、など劇場版でも少し背景は語られましたが細かいところまで描写されており、理由がよくわかります。

劇場版にはないシーン

上巻の方ではターミナルに出向中のアスランとメイリンの会話シーン(虎のコーヒーではないよ、みたいな)がありましたが、下巻の方にも劇場版には出てこないシーンが少しではありますが登場します。

嬉しかったのは最終決戦でアスランがズゴックからジャスティスを出してシュラと戦って撃破した後、イザークやディアッカと合流してシンとルナマリアがレクイエムの破壊に向かうのを援護するシーンが描かれています。

イザークとアスランの会話などもあり、劇場版ではこの二人の会話見たかったと思っていたので嬉しい一コマでした。また、ラストにも少し描写が追加されており何となくではありますがアスランがメインの続編があっても繋がりそうだなぁという感想を抱きました。

あと、ルナマリアのインパルスにミーティアを貸したのはディアッカでした。劇場版で何となくイザークかディアッカのミーティアをルナマリアに渡したのかな、と思ってましたがディアッカが渡すシーンが描かれています。

結。

映像作品のノベライズは普段あまり読まないのですが、SEED FREEDOMは迷わず読みました。何度も映画館へ足を運びたくなる内容だったのもあり、前回記事にも書きましたが正確なセリフや固有名詞など知りたい部分もあったので読んでみましたが思ったよりも得られる情報量が多くて楽しめています。

もちろんガンダムなので戦闘の迫力や登場人物たちの会話など映像でしか得られない部分も多いのですが、両方を見ることによってお互いが補完されてより物語を完成度の高いものにしてくれていると思います。

唇歯輔車

そんな言葉*1が思い浮かびました。

SEED FREEDOMに関してはBlu-rayの発売を待ち望んでいます。おそらく劇場の公開が終わった頃だと思うのでそろそろかなぁと思っていますが・・・。

*1:ちなみに余談ですが、渡邉由自著・角川スニーカー文庫『聖刻の書』シリーズの第4巻のタイトルが「遥かな唇歯輔車」となっており、この小説を読んで唇歯輔車という言葉を知りました。1990年頃の作品のため今では入手自体が困難ですが、魔群惑星シリーズ・聖刻の書シリーズ・精霊王国シリーズはファンタジー小説として名著とも言える作品なので機会があれば読み返してみたい作品です。