日本で最も長い4000mの滑走路を持つのは千葉県の成田空港と、大阪府の関西国際空港の2空港である。いずれも国際線や大型の機体、貨物の機体などが離発着する日本を代表する国際空港であるがゆえだ▼毎年ゴールデンウイークや夏休み、年末年始などまとまった休みが取れるタイミングで日本の主要空港に写真の撮影に行く。これを「遠征」と呼んでいるが、今年の夏休みの遠征計画を立ててみた。最寄りの空港が島根県の出雲空港であるため、ここから伊丹空港へプロペラ機で向かう。伊丹空港からは空路ではなく陸路、すなわちバスで関西国際空港へ向かう▼関西国際空港、通称関空は私が「心の空港」と位置付ける重要な空港である。雰囲気が好きなのだ。陸地から離れ、海の上に人工的に作られた「孤島」。その隔絶感がたまらない。孤島の中に2本の滑走路と2つのターミナル、ホテル、展望ホール、様々な施設があり、それらを結ぶスパゲッティのような道路。凝縮された「街」を感じる。しかし、狭い感じはせず、むしろゆったりとした空間を演出している▼そのゆったりとした空間の中にひときわお気に入りの店がある。第1ターミナルの1階にあるスターバックスである。店そのものはどこのスタバとも変わりはないが、客席が低いパーティションで区切られた開放的な店になっているのだ。撮影で疲れた身体を休めるために関空へ来ると必ず立ち寄る店である。ここで今回も4000m滑走路にやってくる機体を待つことになる。