ネタバレありますのでご注意ください。
序。
PS版のP5Rをクリアしてからだいぶ経ちますがクリアレビューを書いておこうと思います。前はXbox版をクリアした時に書いてますので2度目となります。
同じ作品ですが前回は3学期を未プレイでしたし、今回はプラットフォームが異なるので再度レビューということでいろいろ自分の思うところを述べていきたいと思います。
熱く語りすぎて少し長くなりましたがご容赦ください。ごゆっくり読んでいただければ。
GOOD
正直なところGOODだけでも良いと思いますが、まあ気になる点なども挙げておく方が公平性というか評価としては妥当かな、とも思いますのでいつも通りGOODとBADをそれぞれ挙げています。
ただ、今回はRECOMMENDとして「こうやってプレイするといいんじゃないか」的な書き方もしています。あくまでBADの意味は批判的なものではないと考えています。
ストーリー
前回のクリアレビューでも書きましたが、本作の最大の目玉はストーリーにあると思っています。ペルソナシリーズは5しかやったことがありませんし、今のところは他のシリーズをやる予定はないのでシリーズ通してストーリーが良いのか、それとも5だけ特別なのかは私にはわかりません。
P5Rのストーリーが最高だということだけは確実です。今回の記事では、2回目のプレイでもあり初めて3学期をプレイしたこともある点を踏まえて特に印象的だったシーンを振り返ってみます。
ミスリードな展開
本作をプレイした人は誰もが感じるのではないかと思うが、オープニングでの主人公の逮捕劇です。始まって10分も経たないうちに警察に逮捕されて拷問まがいの取り調べを受けます。
そして、検事である新島冴にこれまでの事件を振り返りつつ尋問される、という形式で回想していくことで物語が描かれます。
そのため新たな仲間やコープの人物が現れた時や改心の事件が区切りつく度に取り調べのシーンに戻って冴に問いただされていくのです。
ひょっとして逮捕されて終わる展開なのでは?主人公が犯人なのでは?というプレイヤーを間違った方向へ誘導して物語が進んでいき、回想が現実の取り調べに追いついた時、本作のストーリーでは大どんでん返しが繰り広げられます。
ここは本作を是非ともプレイして味わって欲しい部分です。よくこんなストーリー展開を考えだして実装したものだな、と感心してしまいます。どんなミステリー小説などよりも面白く衝撃的な展開になっています。
日常の高校生活
主人公を始め、怪盗団の面々は高校生であることから日常における高校生としての生活もあります。
日々の通学に始まり、授業や定期テスト、放課後やアルバイトなど多岐に及びます。また、同年代の女性や歳上の女性などとの出会いもあり、時には親密な関係に発展することもあります。
そんな青春の1ページを思い出させてくれる30代から40代などの歳を重ねた大人にもプレイしてみて欲しい作品だと思います。忘れていた高校生の頃の自分を思い出したり、こんな高校生活を送ってみたかったという懐かしさや甘酸っぱい思い出や願望・妄想など捗るのではないかと思います。
3学期
PS版をプレイしてやはり一番印象的に感じたのは3学期です。それ以外の部分はXbox版でもプレイしていたため内容としては知っていたのですが、それはそれで2回目であっても楽しめるものでした。忘れていたところも多かったですしね。
しかし、それ以上に面白かったのは3学期の物語です。これはペルソナ5の完全版として発売になった「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」で追加された要素で、カウンセラーとして学校に赴任してきた丸喜とのコープを11/17までに最大まで進めるとプレイできる追加要素の物語です。
物語全体を通して、人間としてこれ以上ないくらいどうしようもない歪んだ心の持ち主の悪人を「改心」させてきた怪盗団が最後の最後で言ってみれば完璧な善人と対峙する展開になります。
世の中の人たちが全て幸せになれる現実に抗い、本来の理不尽さの方が勝るであろう現実を取り戻すために戦うストーリーです。これはプレイ記事でもかなり詳細に書きましたが、とても考えさせられる内容で真EDも丸喜の現実を受け入れるEDもどちらもが正解と言っていいのではないかと感じる物語でした。
先に30〜40代の人はプレイしてみて欲しいと書きましたが、その理由の一つもここにあって、このくらいの年代になると丸喜の現実を受け入れたいと思う人が多いんじゃないかな、と思います。そのくらい現実は辛く厳しいものなんです。それに抗う物語はやはり主人公たちが若い高校生でなくてはできないのかな、と感じました。
血のバレンタイン
これはストーリーと言っても本編の重さを緩和させるカンフル剤のような要素で、ギャグシーンとも取れる場面なのですが、コープをたくさんの女性たちと進めていくとどうしても親密な関係となり、その結果バレンタインの日には「本命」を選ばなくてはならなくなり、選ばれなかった女性たちが翌日に蓮の元へ押しかけてくる修羅場な展開です。
まあ、予想通りボコボコにされてしまうのですが、ガンダムSEEDの物語で出てきた「血のバレンタイン」という戦争を激化させた事件の呼び名をとって多くの配信などでもここのイベントが「血のバレンタイン」と呼ばれてました。
なぜガンダムSEEDと結びつくのかといえば、やはり声優さんがSEEDシリーズに関わっていた人がいてプレイしていてもSEEDのキャラを思い出させる時が多かったからかもしれません。バレンタインが惨劇になったという点でも共通点があったのだと思います。
難易度《SAFETY》
P5Rに関しては2〜3人の方の配信を拝見してるのですが、みなさん難易度NormalとかにしてEasyとか選びたそうにしてるのに「やっぱりNormalかな〜」と言ってますが、配信の時は低めの難易度とか選ぶのはダメとかきまりがあるんですかね?
私は高難易度のゲーム自体が苦手というかあまり好みではなく、現実世界で難易度が高いことばかりなのでせめてゲーム内では低い難易度で無双したい気がするので難易度調整ができる作品は無条件で一番低い難易度選んでサクサク敵を倒していくのが好きです。楽しいです。
まあ、この辺は好みなので各自で自由にすれば良いかとは思いますが。
BGM
曲がどれも素晴らしいです。ボーカルが入っているものや環境に溶け込んでいるものなど、オシャレなカフェで流れているBGMのような安定感と感心感があります。
特にお気に入りの曲を3曲あげておきます。
Take Over
通常戦闘で敵を背後などから奇襲をかけて戦闘に入る時の曲です。Take Overには「引き継ぐ」「乗っ取る」などの意味があり、戦闘時の主導権を握る時の曲に選ばれているのも納得ができます。
Life Will Change
「人生が変わる」という意味のこの曲は、主にパレス攻略でオタカラルートを確保した後に予告状を出してパレスの主に戦いを挑む時に流れる曲です。まさに悪を改心させる時に相応しい期待と希望を前にした高揚感を煽る曲になっています。
I believe
直訳すれば「私は信じる」ですが、この曲は丸喜との最後の戦いの本当に最後の瞬間に仲間たちが攻撃を凌いでくれている間に蓮が最後の一撃をキメに行くシーンで流れます。
仲間たちにしてみればリーダーである蓮を信じて全てを任せて敵を倒してくれることを期待する気持ち、蓮にしてみれば仲間たちが命懸けで敵の攻撃を凌いでくれているという信頼感、お互いがお互いを信じ合うことでみんなで勝利を勝ち取る場面で流れるに相応しい曲です。
BAD & RECOMMEND
上に書いた通り批判的というよりは気になる点やこうやってプレイすればだいぶ楽になる、というあたりを書きたいと思います。
パレス攻略の面倒臭さ
本作はいわゆるRPGにおけるダンジョンが「パレス」というストーリーごとに何人か現れる悪人が歪んだ心で作り出す異世界の中で戦います。
つまり現実世界では戦う場面はなく、一部何度でも挑めるメメントスというダンジョンはあるものの、基本は攻略して仕舞えばもう行くことはできないダンジョンがいくつか出てくる感じです。
7〜80時間プレイするRPGにしては数個しかないため、全体的にひとつのパレスが割と広いというかマップが多いです。攻略に合わせてパレスごとにパズル要素的な謎解きなど様々な要素が用意されており、楽しいといえば楽しい攻略の要素なのだと思いますが、後半のオクムラ・パレス以降は結構しんどいです。
その原因として、途中で見取り図などマップを手に入れてパレス内の構造がわかるようになるのですが、それを見るとまだまだ先が長いことがわかってしまうため少しゲンナリすることが多いのかな、と。
また、パレスと現実を行き来して進めていく仕掛けなどもあり、全体的に時間のかかる要素でもあります。メインストーリーの一部なので仕方ないのかもしれませんが、もう少しコンパクトでも良かったのかもしれません。
自由行動の少なさ
前のクリアレビューでも書いていたかと思いますが、本作はカレンダーに従って4月の上旬から1日ずつ日を進めて物語が進みます。
各パレスには攻略の期限が定められており、パレスから現実に戻る(ダンジョン攻略から一時的に戻ってくる)と日にちが1日進みます。その他、装備を整えたりアイテム類を買ったりしてもなんのかんの時間が経過していくため、攻略中は時の流れが進まない一般的なRPGなどとは異なります。
そこが魅力的でもあり、リアルな作品ともいえますがある程度はレベル上げなどしたり、いろいろな戦い方を研究したりする時間も期限気にせず欲しかったりもするので個人的にこのカレンダーシステムについては否定的な立場です。
結果的に時間が不足することはありませんでしたが、同じ時間がかかっても期限が決まっていないのと決まっているのとでは気持ち的に全然異なるかと思います。
3学期解放条件
丸喜とのコープを11/17までに最大にしておく、という条件だけなのですが、それにより物語がガラッと変わってしまうためもう少し何か情報というかヒントが本編中にあって欲しかったです。
Xbox版ではまんまと引っかかって3学期プレイできませんでした。推しの女の子とだけイベントを楽しんでいるうちに終わりました。
最終的にストーリーは3学期をやろうとどうしようと同じところへ戻ってくるわけですが、丸喜のストーリーをやるかやらないかはかなり本作において重要度は異なるので、何か大きな分岐を早めにわかる仕組みが欲しかったところです。
スタメンの固定化
本作は仲間も最終的に10人になります。
- 雨宮 蓮
- モルガナ
- 坂本 竜司
- 高巻 杏
- 喜多川 祐介
- 新島 真
- 佐倉 双葉
- 奥村 春
- 明智 吾郎
- 芳澤かすみ(すみれ)
経験値は三島のコープを進めていくことで控えのメンバーにも経験値が入ります。また、リマスター版なら最初から経験値15%アップのアクセサリがあるのでつけておく、メメントスのスタンプ集めの報酬で経験値アップを優先するなどで効率的にレベル上げはできますが、全員を均等に上げるのは大変です。
また、装備類もお金が足りないことも多いのでスタメンのメンバーから優先するため控えは装備が整っていないことが多いです。上に書いた通り期限も決まっていたりするので無尽蔵に控えメンバーのために経験値やお金稼ぎに行くことが難しいので私の場合は必然的に仲間が固定されていきました。
SP回復の手段
ドラクエなどではMPと表現されるSPですが、本作はペルソナの力(すなわち魔法やスキル)を使用することが多いので必然的にSPが消費されていきます。
回復アイテムもありますが価格や入手方法など厳しい部分もあるのでアクセサリーで毎ターン回復するものなど早めに用意できると楽にはなりますが、それでもまだ足りないと思います。
現実に戻れば回復しますが、日にちが経過するため迂闊には戻れません。やはりセーフルームに入った時にHPとSPが全回復してくれる仕様でも良かったかと思います。
私は控えメンバーの育成も兼ねて、パレス攻略の前半では控えメンバーで進め、後半でスタメンに切り替えて戦うという方向でSPの温存をしていきました。
結。
いろいろ書きましたが、やはり神ゲーと言っていい作品になっていると思います。自分で2回プレイして、さらには配信者さんのプレイも定期的にみていますが全然飽きることはありません。
様々な人間関係やストーリーの展開など非常に練られたものになっているのでがっつりとストーリー重視のRPGとして腰を据えてプレイしてみて欲しい作品です。
発売されているプラットフォームもPSやXboxやSwitchの他、Steamでも発売されているので現時点でゲームをやれる環境のある人ならばどこかしらでプレイ可能だと思います。セールになることもあるので、そう言った時にでもぜひチャレンジしてみてもらえれば嬉しいです。
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