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No Promises Await at Journey's End

FLYING HONU 捕獲(4) 〜成田撮影日記(25)

ホヌ撮影の第4話。

今回もちょっと撮影に関する話が続きます。夜の撮影に役立つかと思いますので参考にしていただければ。一眼レフで夜の撮影をするのはそれなりにカメラに対する知識と練習が必要になるかと思います。

アクアフレッシュ飛来!

1枚だけホヌ以外に撮影した写真を現像していたのでした。

シルクウェイというアゼルバイジャン共和国の貨物航空会社の機体です。どうやら成田に飛来するのは珍しいとのこと。ホヌしか頭になかったので、練習がてら離着陸してる機体は撮っていたのですが、その中に珍しいのがあったようです。

歯磨き粉?

撮ってすぐにTwitterに上げておいたら「アクアフレッシュですね」とリプいただいたわけですが、そういう塗装の名前かと思ったら歯磨き粉のアクアフレッシュにデザインが似てる、という話でした。

www.aquafresh.jp

確かによく似ています。これからはアクアフレッシュと呼びます。

補給

「腹が減っては戦はできぬ」と言いますし。前回記事では結構場所の確保に心血注いだようなことを書きましたが、実際はまあ夜ですしそれほど切羽詰まった感じでもありませんでした。

不二家レストラン

展望デッキのあるフロアに不二家レストランがあります。成田に行くと大抵はここで食事をしています。今回も例に漏れず食事を。

肉料理でがっつりいきます。

悪魔に魂を

夕方になってからコンビニで買ったおにぎりを。

悪魔のおにぎりとか。ホヌを撮るためなら悪魔に魂を売り渡しても構わないと思っているので、おにぎり買えば良い程度なら買いますよ、という感じです。

ローソンのたい焼き

ちなみに↓このたい焼きを買ってみたんですが激ウマです。これを食べない人生なんて考えられないと思います。

ちなみに白いのもあったと思います。もっちり感が重要なのでどちらでも。もはや食べている時にホヌのこと忘れました。

そして決戦の時が近づく

flightradar24で定期的にホヌをチェック。だんだんと日本に近づいてきます。すでに飛んでるエリアが日が暮れていることがわかります。

まっすぐ向かっていますが、空港の近くでは北側に回り込んで南に向かって着陸になります。

Night Mode

この時点で展望デッキはこんな感じです。人は少なめなので撮影場所に関する悩みは杞憂に終わりました。暗くなってから1回トイレに行きましたが、同じ場所に戻ってこれています。

トイレの話ばかり書いてますが、別に頻尿とかではありませんので。ごく通常の排泄行為の話です。

この時点での滑走路がこれです。写真の中央に赤い光を出している飛行機が写っています。これは離陸のために滑走路の端へ移動する機体です。実際に離着陸する機体はもっと写真奥の暗いところを通過します。

そしてホヌが近づく19時前の様子。さらに暗くなってきました。滑走路のあたりなんか真っ暗です。この状態で撮影できるのか不安がよぎります。

夜撮はセッティングが命

一眼レフのカメラのいいところは、写真を撮るための露出の設定を全てマニュアルでできる点にあります。お手軽にオートなモードもありますが、夜などはオートでは対応しきれないシチュエーションなので自分で設定を調整します。

難しくもあり、楽しくもある部分です。

過去に撮影した成田の夜写真からセッティングのベースになる値を確認します。上の画像は2017年の正月に成田へ来た時の写真からExif情報を収集したものです。

  • F値: 5.0
  • シャッタースピード: 1/30秒
  • ISO: 512000

でこんな感じです。

私は日中の明るい時から夜まで基本的にはTvモードで撮ります。完全マニュアルでもいいんですが、F値だけはオートにしてます。レンズによって限界値があるパラメータなのであまり自分でいじるよりもカメラ任せの方がいい塩梅の値になると思ってます。

シャッタースピードは明るい時は1/1000秒という早い状態で撮ります。飛行機の離発着は250km/hという見た目よりもはるかに速く飛びますので、シャッタースピードを速くする必要があります。

子供の運動会とか電車とか飛行機とか動きのあるものはシャッタースピードを上げないとブレます。これは一眼レフに限らずiPhoneなどで撮るときも同じです。

一眼レフの撮影は「光をどれだけ集めるか」です。シャッタースピードを上げると光を集める時間が短くなります。だから暗くなります。昼間なら平気ですが、夜だと真っ暗になります。

そのためISOの値を上げていきます。明るさになりますが、この値は上げすぎるとノイズが出ます。したがって、ISOを上げつつシャッタースピードを遅めに設定するのが夜撮の露出調整の基本になります。

さらにシャッタースピードが遅くなるとブレると書きました。夜はどうしてもシャッタースピードを遅くせざるを得ないので、撮影する時は機体の移動に合わせてカメラも動かします。いわゆる「流し」の状態になります。夜撮が難しい理由はこの辺にあります。

刻一刻と変わる状況

上に書いた通り夜の撮影では一眼レフの本領発揮とも言える露出の設定をしていくことになりますが、だんだん暗くなっていく中で、細かく設定を変えながら撮らなくてはなりません。

暗くなり始めた頃と完全に暗くなった段階では設定値がかなり異なります。この辺も難しい理由のひとつかもしれません。

最終決戦

時は満ちた。月は出ているか?(出てない)

ホヌが最終コーナーを曲がり、ラストのストレートにさしかかりました(競馬じゃない)。

ホヌが来るまで上に書いたセッティングで離陸する機体を何機も撮影しました。パラメータが決まればあとは練習あるのみです。とにかくギリギリまで練習しました。

3月30日以来のホヌ

動いている初のホヌ

ハワイに初めて行った帰りのホヌ

ホヌが来た!









後から現像してみてこんな感じですが、実際に撮ってる時はANAの垂直尾翼くらいしか見えてません。完全なる闇です。なのでコツとしては少し引き気味にして全景が確実に収まる感じで撮るのがベストだと思ってます。

ホヌが駐機するのは写真ホヌの進行方向(←)の先にある格納庫です。展望デッキからは見えません。目の前を通過する数秒しか撮るチャンスがありません。

とにかく撮れるだけ撮ります。昼前から6〜7時間待ち続けて数秒しか撮るチャンスがありません。ここでしくじるわけにはいかんのです。

速度もかなり落ちて、無難に撮り終えることができました。カメラのモニタで確認して安堵のため息を漏らしました。

最終的なセッティングはこんな感じです。この値であればブレないように機体を追うことで夜の滑走路に離着陸する機体でも撮れます。

後は現像で頑張るのみ。

この日はホヌを撮って展望デッキを引き上げました。寝床へ移動します。